アノ:この業界に、女性は梓さんお一人じゃないですか。
私たちでは想像もできないくらいのご苦労があったと思うんですけど、一番大変だったことって何ですか?


梓:うーん、そうですね、やっぱり試験ですかね。
この道に進むって決めた時に、父から出された条件があって、そのうちの1つである技能五輪に21歳の時に出場したんですね。これは、若いうちにしか出られないんですよ。

その当時はまだ、周りの目も厳しくて。こんな小娘に何ができるんだ、みたいな空気でした。
でも、その技能五輪で私、銅メダルをとったんですよ。
そしたら、周りもザワザワしだして。あいつけっこうやるな、みたいな(笑)
それで、父にも電話で報告したんですけど、その時はじめて褒められたんです。『よくやったな!』って。普段はめったにほめない人なので、それは本当に印象的でしたね。

アノ:今まで積み重ねてきた努力が認められた瞬間というか。


梓:そうですね。自分は本気で取り組んでるんだっていう姿勢が少しは周りに伝わったのかなと思いました。
その約10年後に、これも父との約束でもある、国家資格の「1級石材施工技能士」の試験を受けました。
この時は、試験を受けるって言っただけで周りがザワつくっていう(笑)。それくらい難しい試験なんですよ。

周りにいる同期の男の子たちは誰一人受けないっていう状況の中で、私は一人で受けて、一発合格しました。さらにザワつきましたね(笑)
でも、それを見ていた同期の子たちが、次の試験に挑戦するといういい流れにはなったのかなと思います。

さらに、その5年後の2015年には、父との約束の最後の条件の、伝統工芸士の試験にチャレンジしました。
この試験が一番しんどかったですね。
6時間以内に課題を制作するという実技試験があるんですけど、それがもうしんどくて。
どれくらいしんどいかっていうと、かがんだ姿勢で1.7kgのダンベルを4時間ぶっ続けでふり続けるのを想像してみてください。そんな感じです。
実は私この時、肉離れを起こしてしまって。翌日はもう筋肉痛で動けないし。本当に大変でした。
二度と受けたくないです(笑)。

アノ:過酷な試験ですね~。職人というより、アスリートみたいです。それで結果はどうだったんですか?

梓:おかげさまで合格しました。この伝統工芸士の石工品の部門が、女性はまだ私一人しかいないんですよ。


アノ:本当にすごいです!でもこれで、お父さんとの約束はすべて果たしたわけじゃないですか。
しかも資格も全部とられて。
この先の目標ってなにかあるんですか?


梓:お客様に100%満足していただける作品を作るということですね。
それこそ言葉にすると薄っぺらくなっちゃいますけど、どの作品を作ってても常にその想いはあります。
そのぶん、プレッシャーもハンパないですけど。

<続きます!第4回は 2017/08/23 Wed に更新します>

上新石材店さんについて


良質な石の産地である岡崎の地で、伝統製品の灯篭から、完全オーダーのオリジナル製品まで幅広く制作されています。 屋内・屋外展示場には数多くの作品が並び、特にたくさんの石の灯りにいっせいに光がともる様子は圧巻です。

  • 上新石材店(うえしんせきざいてん)
  • 〒444-0009 愛知県岡崎市小呂町新志1ー1
  • 営業時間 8:00-18:00
  • 定休日 日曜日
  • 公式ホームページ

【目次】梓さんの石にかける覚悟とその思い「石で人の心を癒すということ」

強さをもつ人は たくさんの優しさももっている人


梓さんのお話からは、覚悟や信念をもって仕事にのぞむこと、それを貫き通す強さをひしひしと感じました。そしてその強さの中からは、たくさんの優しさも感じることができました。
アノコモも、そんな強くて優しい団体でありたいと思います。


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