人とかかわることの大切さ


アノ:有記さんは、以前から動物関係のお仕事をしていらっしゃったんですか?

有記:いえいえ、全然。
それまではサービス業をしてました。ラーメン屋さんで 8 年働いてたんです。

アノ:えっ、そうなんですか!じゃあ、けっこうな転身というか、思い切った決断だったんじゃないですか?

保護猫カフェって、今はわりと世間に知られてきて、やりたいって思ってる人はたくさんいらっしゃると思うんですけど、それを実現できる人っていうのは、ほんの一握りだと思うんですよね。
それを思うと、きちんとこうして形にして続けていらっしゃる有記さんはすごいなぁって思います。


有記:全然そんなことないです!私一人の力じゃありませんから!
助けてくださる方や、支援してくださる方たちのおかげでできているので、ほんとにラッキーというか、ついてたなって感じです(笑)

アノ:いやいや、それをラッキーって言えちゃう有記さんがすごいと思います(笑)

有記:いえいえ。前に働いていたラーメン屋さんの社長さんにも、いろいろアドバイスいただいたり、時にはダメ出しをされたりして今でもお世話になってるんです。
そういうのもすごくありがたいと思ってて。

やっぱり、一人でやってるとどうしても慢心してきちゃうところってあると思うんですね。
でもそうやって厳しくしてくださる方が近くにいてくれることで、また自分を見つめなおせるというか。

私、サービス業が好きで人と接するのも大好きなんですけど、サービスの大切さも前職で勉強させていただいて、今この仕事でも役立ってます。


このお店をやるにあたって、猫を保護するのも大事ですけど、一番大事なのは人とのかかわりだと思っているので、お手伝いしていただいているボランティアさんたちも、猫だけが好きっていう人では難しいんです。

猫のお世話だけじゃなく、サービスもきちんとできる方でないと無理ですということを最初にきちんとお話させていただいて、その上でお手伝いいただいています。

やっぱり、関わっている人も動物も幸せでないと意味がないと思うんですね。
共生・共存というか、WINWIN の関係というか、50/50 の関係っていうのかな。

アノ:そうですね。私もそれが理想だと思います。
どちらか一方がガマンしてたりストレスためてたりするのは健全じゃないというか。



一番のボランティアはいつも上機嫌でいること


有記:動物って敏感に人の感情を読み取りますよね?
人がイライラしてるとそれが伝わっちゃうと思うんですよね。

でも前に、いつも勉強させていただいている方からこんなことを教わったんです。
「人は感情の生き物だからイライラしてしまうのはしょうがない。
それも修行だと思って受け入れればいい。
本当のボランティアっていうのは、誰かのために何かをしてあげることではなくて、
常に自分が上機嫌でいること。
それが一番のボランティアなんだよ」って。

アノ:おぉー、確かにそうかもしれません!
いつもにこにこしてて機嫌のいい人の周りには自然と人が集まりますよね。それだけで雰囲気良くなるし。
でも、逆に機嫌の悪い人が発してる空気ってピリピリしてて、近づきたくないって思います。
周りに伝染する力も強い気がします。


有記:そうなんです。怒りとか負の力って強くて、それを言霊にのせて発するととてつもないパワーになるんです。
すごい毒性があるって言いますよね。
私はこのお話を聞いてから、イヤなことがあっても、修行修行と思って生活しているんですけど、常に上機嫌でいることがいかに難しいかってことをあらためて感じました。

でも、最初は上機嫌でいなきゃ!って思って生活してたんですけど、それが習慣づいてくると何でもなくなってくるんですよ。
ちょっとくらいイヤなことがあっても、まぁ、そんなこともあるよねって通り過ぎることができる
ようになってくるんです。
そういうふうになる運命だったんだなって思えるようになりました。


アノ:いやー、すごいですね。一種の悟りのような。
みんながそうなれば平和な世の中になりますよね。

自分が心穏やかでいることが結局周りのためにもなってる。自分を大事にすることが、結果的に周りも大事にすることにつながるってことですよね?


有記:そうです。自分のことで言えば、私は以前、体調不良がきっかけで、オーガニックとかに興味をもつようになったんですね。
それでいろいろ調べているうちに、商品の中には動物実験をして作られているものもあるっていう
ことを知ったんです。
人間たちのために、このコたちを犠牲にしていいの?って純粋に思ってしまって。

それにケミカルなものは体にも環境にも悪影響があるなと思って、コンビニに行く回数を減らしたり、環境にいいシャンプーに変えたり、あとは動物実験をしていない商品を使おうと思って。

人間も動物も同じ地球の一部なのに、人間のためにいろんなものが犠牲になっている現実とか、そういういろんなことが気になってしまって、最初は自分のために調べてたりしていたことが、めぐりめぐって今のこの保護猫カフェ活動につながってるんだと思います。



アノ:地球丸ごと全部大事!ってことですね。
すごいですねー、視野が地球規模!
有記さんのこの先の目標ってなにかありますか?


有記:一番は、近くにいるこのヒトたちが幸せになってくれることですよね。
あとは月並みですけど、殺処分が 0になって、保護猫カフェとかボランティアさんがいらない世の中になればいいなって思います。

あとは、いつできるかはわからないんですけど、WWF (※WWF とは:世界 100 か国以上で地球環境保全に取り組み、人と自然が調和して生きられる未来を目指して活動する公益財団法人です)の活動に早く参加したいっていう目標はあります。
実はお店をはじめる前に、WWF に少しでも何かできればと思って毎月寄付をしていたことがあるんですけど、猫たちだけのことではなく、地球の一部として恩返しがしたいなぁって。
WWF の活動は何歳になってもやりたいと思います。

アノ:それがさっきの地球規模の視野につながるんですね。ほんとにすごいです!
人も動物もみんなが住みやすい世界になるといいですね。
今日は本当にありがとうございました!


インタビューを終えて

終始にこやかに、穏やかにお話をされる有記さん。
でもその芯にはとても強くてまっすぐな 1 本の柱が見えたような気がします。

ネコちゃんたちのことも本当に大事にしていらっしゃるのが、いたるところに感じられました.


お水もトイレも整然としていてキレイです。

手作りの猫マンションにも愛を感じます☆


有記さんがネコちゃんたちのことを、「この"ヒト"」とか「ここにいる"ヒト"たち」と呼ぶのにも愛を感じました。
この呼び方は、決して猫たちのことを擬人化しているのではなく、人も猫もみんな平等で地球の一部だと思ってるからこその呼び方なんじゃないかなと思います。

極めつけは、「NEKO-TAMA」さんにいるネコちゃんたちの毛並みと毛艶のよさ!
どのコもフワッフワ、つやっつやです♪


「なにか特別なお手入れされてるんですか?」とお聞きしたら
「いいえ、なーんにもしてません。お客さまがケガをしないように爪だけは切ってますけどね」と有記さん。
ストレスなく、のびのびと生活してるからこその毛艶なのかもしれませんね♪

店内は本当に居心地がよく、時がたつのを忘れてしまいます。
男性一人でお見えになるお客さまも多くいらっしゃるのだとか。
料金を支払ってお店に遊びにいくことで、保護猫活動の一助になるのはうれしいですよね。

里親さんになろうとお考えの方も、ただ純粋にネコちゃんとふれあいたい方も、みんなが幸せな気持ちになれる場所です。

ネコちゃんと有記さんに会いに、ぜひ「NEKO-TAMA」さんへ遊びに行ってみてください!

取材日:2017/08/16 インタビュワー:ワタナベ 文:スズキ 写真:コンドウ

有記さんのインタビューは今回で完結です。

里親募集型保護猫カフェ『NEKO-TAMA』さんについて


豊田市大林町にある「NEKO-TAMA」さんでは、たくさんのネコちゃんたちが新しい家族に会えるのを待っています。ネコちゃんたちがいるお部屋でヨガをする「猫ヨガ」や、ネコちゃんたちの上手な写真の撮り方のワークショップなどのイベントも開催されています。

  • 住所:〒473-0902 愛知県豊田市大林町 10 丁目 1 番地 9
  • 電話番号:0565-42-2823
  • 営業時間:11 時~ 19 時
  • 定休日:火曜日
  • 駐車場:あり

【目次】有記さんの保護猫カフェの話「一番のボランティアはいつも上機嫌でいること」

動物を家族に迎えるという覚悟


「NEKO-TAMA」の有記さんは、一人でもできる範囲でやろうとこの活動を始められました。動物相手のお仕事はお休みなんてありません。お店の定休日でも必ず2回は、ごはんとおそうじのためにお店に行きます。そして、それは当然のことだとおっしゃいます。

動物を飼うすべての人が、同じ覚悟を持っていられたら。
途中で投げ出される命はなくなるのに。


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この街の犬猫やみんなと顔見知りになろう!

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